アップライトピアノを修理に出した。その5【修理完了】

アップライトピアノを修理に出した。その4からの続きです。

ピアノが戻ってきてから今日でちょうど1週間です。
修理前と同じように写真を撮りました。

1枚目 全体写真 ピアノカバーは昭和楽器さんから頂いた物に変えました。こちらのほうがカラフルです。
以前のは洗濯したら色落ちしてボロボロになってしまったというのもありますが。
(写真では白っぽいですが、実物は薄い緑で木目調のピアノに合いそうな物です)

2枚目 蓋を取ったところ

3枚目 型番と製造番号

4枚目 中音域の弱音フェルト
修理前は穴が開いてましたが新品のフェルトに交換されました。

5枚目 ハンマーと弱音フェルトのアップ写真
汚れていたハンマーがきれいになりました。溝も削られています。(写真ではわかりませんが、溝は微妙にあります。削った後に付いたのかあえて少し残したかは不明です)
弱音フェルトも交換されてきれいになりました。
ハンマーの向こうにあるダンパー用の木材もきれいになりました。

6枚目 ヤマハのロゴの部分です。こちらもきれいになりました。

7枚目 蝶番(ちょうつがい)の写真

8枚目 斜めからのピアノ全体の写真。ピアノが鏡面艶出しなのできれいに反射して家庭用電動シュレッダーが写ってます。(笑)
左側は壁ですが40cmほど空けています。

9枚目 ピアノの裏側。30cm弱空けてます。理由は隣の部屋に漏れるのを少しでも防ぐため。掃除をし易くするため。響板を確認するためです。響板はちゃんとした木材のようでした。(触って確認しました。笑)
ピアノに縞模様が写っていますがベッドと布団です。


■弾き心地やその他いろいろ
★長所
弾き心地ですが、大変満足できる出来でした。

・中音域、高音域の音が柔らかみがあってきれいです。
昭和楽器の人が言うには「40年前のヤマハの音」だそうです。
40年前のヤマハの音というのは褒め言葉です。昭和楽器さんは今のヤマハより昔のヤマハのほうが良いというお考えです。

・タッチも大変弾き易いです。
アップライトは最近、貸しピアノで5台弾きましたがそれらと比較しても1番かもしれません。
(5台中4台は80年~90年のU3系です。残りの1台はYU11です。YU11はU1系の現行モデルです)
他のアップライトで多かったのが鍵盤に直接触れてる感じがしないというやつです。
程度の差がかなりありますが、綿越しというか板越しというか何かを間に挟んで弾いてる感じがしましたがこれはそのような感覚がほとんどありません。正確に言うと若干はありますがマイナスになっていません。
ちなみにレッスンで使用しているグランドピアノC2は全然ありません。
別のグランドピアノG1ではけっこうありました。

なので最近弾いたピアノ8台(アップライト6台、グランド2台)では2番目、悪くても3番目の出来です。申し分ないです。

★短所
・音が小さめ、特に高音域。
高音域の和音をフォルテかそれ以上で鳴らしたんですが思ったほど音が出ませんでした。
比較対象がグランドピアノC2だから仕方ないかもしれませんが、もう少し鳴るかと思っていました。
弾いた感じではピアノ自身は目一杯音出そうとしてるのが伝わってきます。これ以上強く弾くと音が割れる、もしくは弦が切れるのでは?と思えるぐらいです。
なのでこのU1Hにこれ以上求める気にはなれません。

・ピアノ、ピアニシモが難しい。特に低音域
低音域で3和音をピアノやピアニシモで軽快や滑らかに弾こうとすると今のところ上手く出せないですね。
レッスンのC2ではできるので丸っきり技術不足というわけではありません。
音自体はピアノやピアニシモで出せてもレッスンの時ほどきれいな響きではありません。
完全にタッチが違うからもう少し時間が掛かりそうです。

★その他
・貸しピアノのアップライト5台は全てピアノの背面が壁にピッタリ着くぐらいに設置されています。
私のピアノは壁から30cmぐらい離れているのでその辺の反響の違いがどう出るのか興味はあります。
ピアノがもっと軽ければいろいろ置き方変えるんですけどね~。

・上記のように他の部屋に聞かれたくないぐらいなのであまり大音量のピアノというのは現状の私には向いていません。
つまり、音量の小ささがあまりデメリットになっていません。

・本当は木目調に塗装したかったんですが費用も期間も予想以上だったため止めました。特に期間が。
塗装の場合、最初にクリーニングすると思うので、今回の修理にもクリーニング入ってるから塗装単品よりはその分費用が安くなると思ったんですが半年ぐらいって聞いてあきらめました。

★今回、修理したピアノについて
・ヤマハ アップライトピアノ U1H
・製造年 1974年頃(ちょうど40年前の製造ですね)
・最終調律日 1983年5月頃(30年以上空いてますね)
・最後に弾いた時期 2004年以前(おそらく10年以上は触らずです。つまり楽器なのに音を発することも無く。かわいそうなことをしました。というわけで今回罪滅ぼしも兼ねて直しました)
・修理業者名 昭和楽器(埼玉県越生にあります。埼玉県春日部の昭和楽器さんとは別です)
・修理代金 けっこうな金額。消音機能なしです。(ネットで見ると整備済みのU1Hが多数売られていますがその中で最も高い部類です)
・修理期間 2ヶ月半ぐらい。(預けてから帰ってくるまで)
  12月上旬 田中ピアノ運送さんに預ける
  12月下旬 昭和楽器さんから見積書届く
  1月上旬 見積もり内容について電話で確認。修理開始
  2月下旬 修理完了
  3月上旬 ピアノ受け取り。発送経路は、昭和楽器さん → 田中ピアノ運送さん → 共立ラインサービスさん(マンション管理会社指定ピアノ運送業者です) → 今住んでるマンションです。

修理に時間が掛かった理由ですが、消費税アップを控えて家のリフォームが大人気で一緒にピアノを修理する家が多いようです。正直なところ見積もりだけでこんなに時間が掛かるとは思いませんでした。(笑)

★満足度 ★★★★★(5点満点)
理由 出来は文句なし。レッスンのC2に比べると負けている点はあるが、それは修理の技術というよりピアノU1Hの限界。
ちなみに正しく使っていけば後30年以上は使える予定です。部品交換の可能性が高いのは強いて言うと弦とチューニングピンかな?とは思いますがしばらくは必要無いと思います。

というわけで家に眠っている古いピアノがある方は新品に買い換えるよりも直すことも検討にいれてみてはいかがでしょうか。
お勧めですよ~。

ちなみに私はアップライトを使う間は今回のU1Hを使い続けるつもりです。
買い換えるとすればグランドピアノだけですね。

【2014/03/23追記】
今日でピアノが修理から戻ってきて丁度3週間です。
弾き心地について追記します。

以前にブログで上級者ならグランドピアノがいいけど初級者であればアップライトで全然問題ないと書きましたが
初級者でもグランドピアノが使用できればグランドピアノのほうがいいです。
家でブルグミュラーの3番「牧歌」を弾いていた時のことです。
この曲は同じ3和音を4回続くのが多いです。
で、この3和音をピアノ(弱くという意味です)で滑らかに弾こうとすると時たま音が出ません。(3和音が2和音になります)
どうやら弱く弾こうと意識するあまり鍵盤が上がりきってない状態で次の音を弾こうとしてたようです。(グランドピアノであればこの状態でも音は出ます)
しかもこの時はタッチが普段と全然違ってしかも音が出ないもんだから一瞬壊れたかと思いました。(笑)
なので初級者と言えどもグランドピアノが用意できるならグランドピアノのほうがいいです。残念ながら。(笑)

話は変わって今日はレッスンの日でした。
レッスンではヤマハのグランドピアノC2を使っています。
U1Hをずっと弾いていたせいかC2のタッチや響きが以前と違うように感じました。
まず、音量ですがハノンを普通の強さで弾いたんですが以前よりかなり小さく聞こえました。U1Hよりかなり小さく聞こえました。
まろやかだけど、ちょっとさみしい音でした。

ただし、このときどういうわけか耳鳴りがひどかったですけどね。笑
しかもいつものキーンではなくジジジって感じの音でした。耳の調子が悪かっただけかもしれません。

ちなみにブルグミュラーの「進歩」を弾いた時はハノンのときほど違和感は無かったです。
それでも若干小さいような印象はありましたが。
今度、貸しピアノで好き勝手に弾いてみようと思います。

次にタッチですが、これは相当軽く感じました。
古い電子ピアノで弾いてたときはレッスンのC2弾くと重くてどうしようもなかったんですが今はハッキリと家のU1HよりC2のほうが軽いと言えます。
じゃあ、軽いのが悪いかというとそんなこと全然無くて寧ろこの軽さは魅力です。
ピアノで滑らかな演奏は家のU1HよりこのC2のほうが弾き易いのでは?とも思います。
(今日はそこら辺は試せなかったので。3和音を試したかったんですがブルグミュラーの「進歩」は3和音が無いので)

タッチについても貸しピアノで好き勝手に弾いて試してみようかと思います。

【2015/2/25追記】記事名を「ピアノの修理その5(ヤマハ U1H)【修理完了】」から変更しました。以前のタイトルでは自分でピアノを修理したように見えるので。その1~その5まで全て変更