今年二度目の魔笛を観に行ってきました。
東京文化会館のS席で1階7列中央ブロックの真ん中の辺りです。
出だしが現代を舞台にした演出だったのでイヤだな〜って思ったけど観て行くうちに全然気にならなくなりました。
結論から言うと凄く良かったです。今年一番です。最後はジーンときちゃいました。
映像を使った演出はあまり好きではないんですが(舞台セットの予算がなくて映像でごまかしてる印象を受けてました)今回の映像を使った演出は良かったですね〜。新しい演出ですね。映像を切り替えることによって瞬時に場面転換が可能になりました。(プロジェクションマッピングなんですかね?)
最初の大蛇も映像でした。(ちょっと安っぽく見えましたが)
タミーノはスーツでパミーナは普通の洋服でした。
でも夜の女王と侍女達は巨乳を強調して一切色気はなくお笑い的な衣装でした。
ザラストロは帽子被っているのかと思いきや脳みそむき出しでした。(ちょっと気持ち悪いです)
オーケストラも歌も良かったですね。席が良かったこともあるかと思いますがほんとに良かったです。最初からもう一回聴きたいくらいです。
夜の女王の2幕のアリアですが出だしの声量が凄かったですね。このままサビのところ歌えるのかと思っていたらサビの部分では声量落としてました。3連符も思ったほどではなかったです。でも魔笛を生で観るのは今日で3回目ですが一番良い夜の女王です。拍手も大きかったです。
3人の童子は本当に男の子が演っています。しかもちゃんと歌ってました。たいしたもんです。
でも本当にみんな良くて下手な人いなかったですね。
1幕終わった後の休憩時間で「黒田さん(パパゲーノ役)が目立たなくなるぐらい上手い人多いね」って喋ってるのが聞こえてきました。
2幕のフィナーレでパパゲーノが出てくるシーンでモノスタトスが出てきたりオリジナルには無い演出があって面白かったです。
そういえばモノスタトスが自分の肌の色を恨めしく思うセリフが字幕にはなかったですね。差別的だからですかね。
パ・パ・パの二重唱でもこの部分は字幕が表示されなかったんですよね。こちらは吃音の人への配慮ですかね。
火の試練、水の試練を乗り越えるシーンですが昔観たLDでは意味がわからなかったんです。
笛の音色と共になんで歩いてんだろうと思っていたんです。(理解できたのは数年後です)
それが今回の演出では映像の効果もあって意味がよくわかります。これは特に良かったです。
最後に夜の女王が倒されるシーンですが、倒されるも死ななかったんです。このオペラの唯一の不満点が死人が出ることです。パパゲーノが試練乗り越えられなくたってお嫁さんくるんだから夜の女王だって死ななくてもいいじゃんって前から思ってたんです。とことんハッピーエンドで終わってほしかった。遂にその演出にお目にかかれました。
最後の最後の合唱では合唱団のメンバーが客席の脇で歌ってました。
私の座席は合唱団に挟まれる位置です。凄い聴こえかたでした。やっぱり合唱パワーは凄いですね。
今回の公演は観なきゃ損ですね。チケットも安かったです。新国立劇場オペラなら2万は超えますね。(笑)
■スタッフ
指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス
演出:宮本亜門
装置:ボリス・クドルチカ
衣裳:太田雅公
照明:マルク・ハインツ
映像:バルテック・マシス
合唱指揮:大島義彰
音楽アシスタント:森内 剛
演出助手:澤田康子、木川田直聡
舞台監督:大仁田雅彦
公演監督:曽我榮子
■キャスト(7月19日)
ザラストロ 妻屋秀和
タミーノ 鈴木 准
弁者 加賀清孝
僧侶I 高橋祐樹
僧侶II 栗原 剛
夜の女王 森谷真理
パミーナ 幸田浩子
侍女I 日比野 幸
侍女II 磯地美樹
侍女III 石井 藍
パパゲーナ 九嶋香奈枝
パパゲーノ 黒田 博
モノスタトス 高橋 淳
武士I 成田勝美
武士II 加藤宏隆
合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 読売日本交響楽団
S席13,500円 A席12,500円 B席10,000円 C席8,000円 D席6,000円 学生席2,000円
(愛好会会員はS席からB席を1000円引き)