【東京芸術劇場】クラシカル・プレイヤーズ東京 演奏会【02/14/2015】

クラシカル・プレイヤーズ東京の演奏会に初めて行ったのは2011年か12年か忘れましたがジュピターシンフォニーが演奏されたときです。
この時に最初に演奏された曲はハイドンのシンフォニーでした。(番号は覚えていません)

最初の和音を聞いたときのことを今で覚えています。
大音響ではありませんが、かと言って物足りないこともなく、しかもふわっとするような温かみのある音でした。
このふわっと言うのは霧状の噴水にイメージが近いです。
(くじらの噴水だと全然別物になってしまいますが)

その後も演奏会が週末であれば必ず行ってましたが、どういうわけか、ふわっとする音はこの最初に行ったときが一番でした。
残念に思いつつ、私が音に慣れてしまっただけなのかなとも思ってました。

ところが昨日の演奏会はこのふわっとする音が至るところで鳴ってました。
1曲目のレオノーレ序曲はもちろんそうですが、頻繁に鳴ってたのが3曲目の運命のフィナーレです。
運命のフィナーレというと終わりそうで終わらないかなりしつこいイメージがありますが(私個人の意見です。笑)
このしつこいフォルテがふわっと鳴ると言葉では言い表せない良さがありました。
フォルテがバーンと何回もくると食傷気味になりそうですが、ふわっとくるので全然飽きなかったですね。もっと続いてほしかったです。

ちなみに、このふわっとした音を出すとき指揮者の有田さんは両手を下から上に掬い上げるようにしていました。
しかも掬い上げきるときに手をグーからパーにして開いてました。
それ見るとふわっと広がる音にしたかったんじゃないかなという気はします。

2曲目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲5番はソリストが前回コンサートマスターをされた豊嶋泰嗣さんです。
風貌は前回と同じくチョイ悪親父風です。(笑)
思ったより背高くてビックリしました。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲というとモーツァルトの他の傑作からするとワンランク落ちるようなイメージがありますが
モーツァルト節というかそんな感じの雰囲気がするので(当たり前ですが)でやっぱり聞いてて楽しいですね。
(モーツァルト節というより古典派の特徴ですかね???)

オーケストラは弦楽器、オーボエ、ホルンです。
弦楽器は左から第一ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第二ヴァイオリンです。

今までカデンツァってあまり好きではなかったんですが今回で印象が変わりました。
前から3列目で観ていたんですが、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ソリストと視線を動かすのが結構大変でした。
(第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンが隣同士だといくらか楽ですけどね。でも、今回の並びのほうが好きです)
でも、カデンツァになると他が止まるのでソリストに集中して見れてよかったです。
どういうわけかカデンツァのときのほうが音が大きいように聞こえました。
弓って上下に動かすのかと思ったら斜めに滑らしたりもするんですね。どういう意味なのかはわかりませんが。

豊嶋さんはかなり汗っかきですね。第一楽章が終わったらハンカチ取り出してメガネ外して汗拭いてましたが
もう一度、汗拭いてました。意外だな~と思いつつのんびりと眺めてました。

第三楽章がトルコ風ですが、最近、この曲聞いてなかったのであのトルコ風の音はどの楽器で鳴らすんだろう?って思ってたら(オーケストラが弦とオーボエ、ホルンだけだったので)
あの派手な音はチェロとコントラバスが弓で弦を叩いてる音だったんですね。
ちなみに前方からドシドシと音が聞こえてきたので何かと思ったら豊嶋さんの足音です、たぶん。前足(右足)で足踏みしてるように一瞬見えました。
ちゃんと確認しようと思ったらやめちゃいました。残念。

3曲目は運命ですが
出だしのジャジャジャジャーンをもっと引き伸ばすかと思ったら妙にあっさりしてました。その後のジャジャジャジャーンもあっさりです。
第一楽章の盛り上がるところはもっと強い音ををイメージしてたんですが、そこまでのパワーでもなかったです。というよりそういう演奏を意図していないということだと思います。
一番楽しかったのが第四楽章ですね。フォルテでふわっと鳴らすところもそうですが、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと次々と奏でられてめくるめく楽しさがありました。
CDはここまで聞こえてこなかったんですよね。(もちろん、音感のある人ならわかるんでしょうけど)

あとはやっぱりフルート上手ですね。自然と溶け込んでいますね。でも、レオノーレで弦と対話するような箇所があったんですが、そこは運命と比べるとイマイチのように聞こえました。一体感が感じられなかった。私の席と距離の違いがあるかもしれませんが。弦楽器は目の前に居るんですが、フルートはけっこう前のほうでした。

そういえば今回のコンサートマスター(コンサートミストレス)は荒木優子さんでした。この人はいつも初々しいですね。すれた感じが全然しません。
実は年明けのクラシカルプレイヤーズ東京 室内楽演奏会シリーズ vol.4で芸術劇場のエスカレーターを上がっているときに前方に女性の2人組みがいらっしゃって話をされてました。どうやらそのうちの1名が荒木優子さんだったようです。間近で見ると背低くてかわいらしい声なんです。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の第一楽章のときにステージからバツン!って音が聞こえました。楽譜を落としたのかと思いましたが違うようです。よく見たら第一ヴァイオリンの1人の弦が切れたようです。一番下の弦がぶらぶらしてました。
でも、そのまま弾かれてました。第一楽章が終わってコンサートミストレスの荒木さんに「弦取ってくる?」と聞いているような感じでしたが(口の動きがそんな感じでした)結局そのまま弾かれてました。次の曲(運命)の時にはちゃんと直ってました。自分で直せるっていいですね。ピアノだと演奏者が直すのはまず不可能ですね。

有田さんのトークはありませんでしたがアンコールがありました。
G線上のアリアです(弦楽合奏版です)。やっぱり第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリンが左右に配置されるとそれぞれのメロディが分かりやすくていいですね。
唯一残念だったのはアンコールだし生真面目にする必要も無いのでできれば全部の楽器を使うように編曲してほしかったです。管楽器の音色も聴きたかったです。

例によって最後のお辞儀のときに各パートの方を立たせて拍手するんですが、何回か舞台袖に引っ込んで再度出てきたときには第一ヴァイオリンの後方の方を立たせました。
なんだろう?って思ってたら豊嶋さんでした。あんなところに・・・思わず笑っちゃいました。

ほんとうに最後、舞台袖に引っ込むときにコンサートミストレスの荒木さんと握手したんですが、そのまま連れ去って行かれました。けっこう受けてました。
しかも引っ込む途中ででオーケストラのほうを向いて手招きして(こっちこいよ。つまりあがれって意味ですね)ここでも受けて終了です。
お茶目な方です。

出入り口で次回公演の先行前売りを行っていたんですが、なんと持ち合わせが無い!たった4千円なのに・・・
財布見たら3600円しかない。開演前にコーヒー飲まなければ・・・(コーヒーは400円です)
当然クレジットカードは使えず・・・
次回からはちゃんとお金持ってこよう・・・

普段はクレカと電子マネー(クレカも電子マネーですが)で生活してるので財布にはあまりお金が入っていません。
でもコンサートのときは普段1万ぐらいは入っているんですけどね・・・

■曲目
ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲 第3番 op.72b
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番 「トルコ風」 イ長調 K.219 
ベートーヴェン/交響曲第5番 「運命」 ハ短調 op.67

■出演
指揮:有田正広 ヴァイオリン:豊嶋泰嗣
管弦楽:クラシカル・プレイヤーズ東京

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