【外国オーケストラ】フランス国立リヨン管弦楽団演奏会【07/19/2014】

ここ2~3年、オペラ含めてクラシックのコンサートにちょくちょく行くようになりましたが予算の都合もあってほとんどが国内オーケストラです。
唯一の例外はウィーンフォルクスオーパーの来日公演だけです。(こうもりとメリー・ウィドウを見に行きました)

昨日、スラットキン指揮のフランス国立リヨン管弦楽団の公演に行ってきました。
外国オーケストラだから選んだのではなくプログラム優先です。
フランス物のお気に入りの定番2つ(サン・サーンスの交響曲3番「オルガン付き」とラヴェルのピアノ協奏曲)だけでなく「マ・メール・ロワ」も含まれていた豪華3本立てです。
フランス音楽をフランスオーケストラならではの演奏という発想もありますが、正直なところ今の自分が聴いてもわからねえだろうと思ってました。w

結論から言うと超楽しかったです。

例によって演奏の良し悪しはわからないので思いつくままに感想を述べると・・・

一曲目の「マ・メール・ロワ」
CDでしか聞いたことがなくコンサートでは初めてです。
全体的に柔らか味のあるような演奏でした。特に終曲の高音の部分では曲の良さもあって感動的でした。
ツイッターで見ると評価高かったですね。(新国立劇場オペラは否定的な感想も多いのですが)
ちなみに席は3回中央ブロックの左側です。

2曲目はラヴェルのピアノ協奏曲です。
席が中央ブロックの左側のためオペラグラスを使えばピアノ弾いてるところがきっちり見えました。思わず見とれてしまいました。うれしい誤算です。
演奏自体はフォルテはそんなに強く弾かずに軽妙な感じでした(誉めてます)。ただ、前のほうの席だったらもう少し大きな音で聞こえたのかな?って疑問はあります。
ツイッターでは軽妙で洒脱といった感想がありました。
ちなみにピアニストは小菅 優さんです。

第一楽章の最後、ダンッ、ダンッ、 、 、ダンッッッ!!のところがあまりにもきれいに終わる(ピタッと終わるという意味です)ので思わず拍手したくなるところをグッとこらえました。(笑

第二楽章開始直後からのピアノソロはうっとりするような美しさでした。その後のフルートも大変美しかったです。
一箇所、ピアノで右手がサーッと低音に動いたんですよね。でもちゃんと演奏してます。あまりにも滑らかなのでビックリしました。グリッサンドなんでしょうけど、普段よく見るのとは手の向きが違ってました。普通は手を横に向けますよね?それが正面のままでした。もう1回見たかった。

第三楽章もあまり強い音は鳴らさずに軽妙な感じで進みました。
面白かったのが後半のピアノ演奏振りが勢い余るようなシーンが何度もありました。フォルテを鳴らすと腕をオーバーアクション気味に振る人がいますが、それを体全体で表現するような感じです。体の向きまで変わるので椅子から落ちない?ぐらいの勢いでした。
プロ野球で長嶋茂雄が三振すると勢い余ってヘルメットが落ちる、そんなスタイルのような演奏振りです。
最後のところが第一楽章と同じようにきれいにピッタリと合って終わりました。
しかもピアニストの勢い余った演奏振りも加味されて体操競技で着地が決まったような見事さがありました。
ビジュアル的にも楽しかったです。

アンコールがありました。フランス物のピアノ曲はあまりわからないな~と思っていたらショパンのエチュード25-1「エオリアンハープ」でした。
ただ、始めのほうで右手にミスタッチがありました。その後の右手のパートでテンポを落とし気味に弾いてたんですが、これが表現のためなのか、ミスタッチしたので安全に弾いていたのかはわかりませんでした。
この演奏で印象的だったのは左手による曲の浮かび上がらせ方ですね。よく本などで左手で曲を浮かび上がらせるといった表現を見ますが、その意味がよくわかりました。浮かび上がっては沈み、浮かび上がっては沈みで聴いてて楽しかったです。
(ただ、沈んだ箇所はあまり面白くなかったですが・・・そうは言っても沈んだおかげで浮かび上がったときにより一層素晴らしく聞こえるわけですが)

3曲目はサン・サーンスの「オルガン付き」です。
ツイッターでは評判よかったんですが、個人的には、う~ん、ちょっとでした。もっとも私の聴き方が初心者的というのもありますが。(フォルテが豪華に鳴らないと良いと判断できない。今回はフランスのオーケストラということもあってフォルテとは違う方向が長所らしいので)
この曲を初めて聴いたのは10~15年ぐらい前で東京芸術劇場、小林研一郎指揮、日本フィルでした。
初めてコンサート行ったのもこれが最初だったかな?
その時の感動を今でも覚えていますが、一番感動したのが第一楽章第二部のオルガン。ホール全体に音が響き音の湯船に浸かるような感覚がありました。これはCDでは再現できないとさえ思えました。
でも、今回の演奏ではそのような感動はありませんでした。あまり響いてきませんでした。音量も小さい感じでした。でも、第二楽章第二部ではちゃんと響いてました。
ホール改装で音量が小さくなったとかそういう事では無いようです。う~ん。

アンコールの前に指揮者のスラットキンさんから挨拶がありました。英語です。
少し喋ると1階席から少し笑いが起こり、もう少し喋ると再度1階席から今度は大きめの笑いが起きました。3階席では単語が二言三言しか聞こえず意味がわかりませんでした。

アンコールは2曲ありました。
1曲目は知らない曲でした。あとで知ったのですがフォーレの「パヴァーヌ」でした。
2曲目はオッフェンバックの「天国と地獄」からフレンチカンカンでした。古い人なら知っている文明堂のCMに使われていた曲です。運動会でもよく使われますが。
この2曲目がめちゃくちゃ楽しかったです。
曲が始まったらスラットキンさんが指揮しないで客席向くんですよね。
ひょっとしたらラデツキーばりに手拍子でもさせるのかな?と思ってたら案の定でした。
これが意外と面白い、しかも合わせ辛い。1階席の人たちが手拍子してるの見えるのでそれに合わせて手拍子してたんですが、イマイチ合わないんですよね。手拍子が先に行ってしまう。
ふと思ったのが光と音の速さの違い?見える手拍子に合わせれば光の速度に合わせてるわけで音の速度とは合わないですよね。

そんなこんなで一旦、手拍子の部分が終わったら(この時も止める合図をするんですがうまく合わせられず1回分早く止めてしまった)スラットキンさんは何するかと思いきや指揮台から降りて舞台上を歩いてた。w
オーケストラは勝手に演奏してた。
また、手拍子の少し手前で戻ってきて再度、手拍子の合図、今度は途中から手拍子のテンポを上げるような素振りをして、みんながキッチリ合わせる。正直驚き!今の拍手なのか次の拍手でテンポ上げるのがわからないんだが・・・当然俺は1~2回分遅れて合わせた。
そんなこんなで普通のテンポの手拍子に戻して最後もキッチリ止める合図を出して曲が終了。(当然、俺は少しずれたけど・・・笑)

スラットキンさんは楽しいですね。エンターテイナーですね。スラットキンさんのCDは1枚だけ持っていて、それがアンダーソン名曲集です。(オーケストラはセントルイス交響楽団)
アンダーソン名曲集を出すぐらいだからエンターテイナーかと思っていたら思ったとおりでしたね。
(ドイツシンフォニーの巨匠、たとえば亡くなったヴァントとかだと考えられない演出ですからね)

■どうでもいい独り言
・当日にチケットを探しちゃいました。手元にあった記憶があったんだけど実際には無い。しばらく探したけど無い。
ひょっとして劇場受け取りか?と思ってWEBで見ると劇場受け取りになっている。でも受け取り済みになっている。
ということは別のコンサートのときに劇場で受け取った?劇場のWEBボックスで受け取ったのは1回しか無いはず。それはその日の公演分だったような気が・・・でも自信なし。申し込みが半年前だからね~。
というわけで受け取った日にちを確認するために0570-010-296に電話する。これフリーダイアルじゃなくナビダイアルなんですね。
10時前ぐらいから電話するもずっと通話中。何度掛け直しても通話中。11時過ぎになってようやく繋がった。
状況を説明すると、劇場受け取りで前日までに受け取っていない分は当日受け渡しのために劇場で発行してWEBでは受け取り済みの表示になるそうです。なんだよ。そんな気もしたんだけど前日までに未受け取りを確認できてなかったから半信半疑だった。

・ツイッターを見るとどこかの事務所(音楽事務所?)ではこのチケットの招待状(無料チケット)が配られていたようです。しかも余ってるとか。
国内団体のチケット(オペラ、コンサートの両方)はチケットが売れなくて無料チケット配って空席作らないようにするとか聞きますが外国オーケストラでも無料チケット配るんですね。
たまにはそんなお得なチケットで気楽に行ってみたい。毎回、キッチリ買ってるので観劇ビンボーになりつつあるような気がする。

・オーケストラメンバーの方々が登場したときに「いつもと違う」と思ったんですが、外人さんばっかりだからですね。当たり前ですが。
女性も多かったんですが、日本のオーケストラと比べると若い人が少ない気がしました。まあ、向こうの人は老けて見えますからね。
ハープの人が一番美人でした。ハープの陰に隠れてあまりお顔が見えなかったんですが・・・

・オルガン奏者が後姿見る限り東洋人に見えたので日本人かな?と思ったら日本人でした。
演奏中は座った姿勢で後姿しか見えないんですが、演奏後の挨拶姿見たら小柄で可愛らしい方でしたね。名前は石丸 由佳さんです。でもチラシとか見ると名前だけで経歴紹介なしの小さな扱いですね。関西などの他地区の公演にも同行してるのにちょっとかわいそう。

・いつもどおりに入場したら何か足りない。なんだろうと思ったらプログラムをもらっていない。有料プログラムとは別に本日の公演内容の簡単なプログラムありますよね。あれをもらっていない。一緒にもらうアンケート用紙も無い。
ただ、アンケート書いてる人見なかったな。無料プログラムなし、アンケートなしだったのだろうか。

■演奏会データ
2014-2015 東京芸術劇場 海外オーケストラシリーズⅠ

日程:2014年07月19日 (土)15:00 開演(14:00ロビー開場)
会場:東京劇術劇場 コンサートホール

曲目
ラヴェル 組曲『マ・メール・ロワ』 
     ピアノ協奏曲 ト長調

サン=サーンス 交響曲第3番 作品78「オルガン付き」(オルガン:石丸 由佳)

■出演
指揮:レナード・スラットキン
ピアノ:小菅 優
管弦楽:フランス国立リヨン管弦楽団
オルガン:石丸 由佳

■チケット
全席指定 SS席14,000円、S席12,000円、A席8,000円、B席6,000円、C席5,000円、D席3,000円

今回買ったのはB席(3階F列28番)でした。
左隣が通路、前方右半分は前列のお客さんが居るが左半分は空間なので見やすい席でした。

【2014/7/23 追記】ツイッターなどで見ると終演後にスラットキンさんと小菅優さんのサイン会があったようですね。全然気づかなかった。失敗した。

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