【東京芸術劇場】クラシカル・プレイヤーズ東京 演奏会【06/21/2014】

本日、東京芸術劇場にクラシカル・プレイヤーズ東京の演奏会を観に行きました。
席は1階中央ブロックの最前列です。
中央ブロックと言っても右側なので良いことだけでなく悪いこともありました。

前回のクラシカル・プレイヤーズ東京の演奏会は3列目で途中うとうとしまい、今回最前列で寝るわけには行かないと意気込んでましたが1曲目のメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の序曲で数回うとうとしてしまいました。(たった8分の曲なのに3~4回うとうとしました)
でも、あとは大丈夫でした。

今回はモーツァルトのピアノ協奏曲23番 K.488(私が世界で一番好きなピアノ協奏曲)がプログラムに含まれていて、且つ土曜のコンサートなので速攻でチケットを買ったわけですが。
今回のこの曲の演奏で興味があったのがフォルテピアノを使うということです。
古楽器古楽器と言ってもピアノの古楽器(フォルテピアノ)の音って聞いたことなかったんですよね。CDも含めて。

今回はコンサートの前に指揮の有田正広さんとピアニストの仲道郁代さんのプレトークがありました。
要点を一言だけ言うとお二方とも「ダジャレ好き」。3回ぐらい言っててその度に おやじギャグ~ って思ってました。(笑)

それ以外だと
・鍵盤が5オクターブ半
・黒鍵と白鍵が逆
・ピアノは1790年のシュタイン製のレプリカ
・フェルトが革で出来てるので音量が小さい、乾いた音がする。
・ペダルが全然違う。鍵盤の下に付いているので踏むのではなく膝を上に蹴り上げるような感じ。モーツァルトの曲にペダル記号は無い。

一番最後がビックリですね。

コンサートですが一曲目(メンデルスゾーンの真夏の夜の夢の序曲)の感想は省略です。

2曲目 モーツァルトピアノ協奏曲23番イ長調 K.488ですが
まず、オーケストラが鳴った瞬間にうれしくなりました。聴いた瞬間に笑顔になれるような魅力があります。

オーケストラパートが2分ぐらい続くんですがなんかこの時にピアノフォルテの音が聞こえたような気がします。
ひょっとして音鳴らしてた?

ピアノパートが始まります。
第一印象は「なんじゃこりゃ!?」でした。(笑)
本当に乾いた音が聞こえてきました。というよりチェンバロじゃないか??とも思えるぐらいの音色です。
想像を遥かに超えた音でした。現代ピアノと比較すると全然滑らかに聞こえないんです。
ふと脳裏をよぎったのがのがモーツァルトのピアノ演奏を聞いたベートーヴェンが後年ツェルニーに語った「モーツァルトの演奏は滑らかではない」です。
ひょっとして楽器の性能が影響した?
ただ、ベートーヴェンが言うところの滑らかではないと言うのはノン・レガートのことですから実際は違うのでしょうけど。

音色はゆったりとした2楽章では気になりませんでした。
3楽章も1楽章の時ほど気になりませんでしたね。(耳が慣れてきたんですかね?)
音色の違和感が取れれば曲・演奏の良さが伝わってきますね。3楽章聞いてるときに「もうすぐ終わってしまう。もうすぐ終わってしまう」と何度も思いました。
終わると最初からもう1回聞きたくなります。

ここで休憩です。

3曲目はシューベルトの未完成です。
まず、目に付いたのがトロンボーンが長い!!もう笑ってしまうぐらい長いのです。写真に撮りたかったんだけどね~。
古楽器は人数も少ないので音量も小さいイメージがあったのですが、大音量でるんですね。なかなか興奮しました。

■余談、しょーもない独り言
・今回の弦楽器の配置は左から、第一ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第二ヴァイオリンでした。
この配置だとチェロの演奏振りが正面に近い角度で見れるのが良いですね。
チェロの演奏は実はヴァイオリンより格好良いと思ったりします。

・前回が3列目で今回が最前列だったのでオーケストラの方の顔が見分け易く
前回と同じ方が何人もいてなんかうれしくなっちゃいました。
(ふつうなんでしょうけど団員の方の顔と名前なんてふだんはほとんど覚えていないので)

・今回のコンサートマスターは豊嶋泰嗣さんです。プログラムの写真で見るとチョイ悪おやじ風なんですが実物はもっとコミカル色が強かったです。
前回のコンサートミストレスの木村理恵さんは今回は第一ヴァイオリンのパートリーダーです。

・豊嶋泰嗣さんは時折全体重を乗せて演奏されます。
前方に体重を乗せるだけでなく時には後方にも全体重を乗せているときがあります。
この時なんと両足が床から離れています。変わった演奏スタイルでした。しかも結構大柄な体格なのでより一層そんな印象があります。

・フォルテピアノが本当に小さいと思ったのは仲道郁代さんがピアノの椅子に座った時です。
プレトークの時はパンツだったんですが演奏の時はドレスでした。
スカート部分の裾が横に広がってるんですが(これは普通ですね)、これがフォルテピアノの幅と変わらないぐらいでした。
スカートの幅が広いというよりフォルテピアノが狭いです。

・仲道郁代さんは演奏中、口ずさむんですね。
第一楽章のピアノパートを聞いてたらミファミファ(ミファミラだったかな?)と聞こえてきました。
うん!?と思って仲道さんを見ると口ずさんでるようでした。
数秒後には見上げたまま演奏されてため息が聞こえてきました。
その後も何度も口ずさんでいるのが聞こえてきました。妙に色っぽかったです。

・ふと、ペダルを押すところ(膝で軽く蹴り上げるわけですが)を気にしてみたところ正直わかりにくかったです。
3楽章で足がバンバン動いてるときがありました。おっ!と思って見るとペダルがへこんでなさそうに見える。
というよりオーケストラパートの箇所でした。単に仲道さんが足でリズム刻んでただけでした。
口ずさんだりもするし、けっこう行け行けなノリなんですね。

・プログラム見てビックリしたのがフォルテピアノの調律がピッチ430Hz
最近のピアノでは440Hzだったり442Hzだったりします。(ウィーンフィルは445Hzに合わせるそうです)
ふと思ったのが弦楽器はいくつに合わせてるんだろう??

・プログラム見て更にビックリしたのが
フォルテピアノについて「仲道郁代蔵」と書かれています。個人所有のフォルテピアノか。すごーい。

・モーツァルトのピアノ協奏曲の第一楽章で2回金管楽器が変に聞こえた時がありました。
これが演奏ミスなのか古楽器の特徴なのかが不明です。
シューベルトの未完成でも1回聞こえてきました。

・せっかくのフォルテピアノなので黒鍵と白鍵が逆になっているところを見たかったのですが
中央ブロックの右側の席のためピアノケースしか見れませんでした。残念1。

・前回のクラシカル・プレイヤーズ東京の演奏ではフルートパートが無く前田りり子さん(フルート奏者)を見れなかったので今回は楽しみにしていたのですが
前列奏者の死角に入ってほとんど見れませんでした。残念2。

・前回のクラシカル・プレイヤーズ東京の演奏会でヴィヴァルディのコンチェルトで第4ソロバイオリンを弾いていた迫間 野百合さん(第二ヴァイオリン)の演奏を見たかったのですが(弓が軽快に動くんです)
これまた前列奏者(正確には横の方)の死角に入って見れませんでした。残念3。

・アンコールはロザムンデのようでした。曲目わからずでツイッター見てたらロザムンデと書かれてました。
以前はアンコール無し、トークも無しでホントに演奏だけの演奏会だったのですが、前回はアンコールあり、今回はプレトークありアンコールありで
どうしちゃったんだろう!?っていうぐらいのうれしい方向転換です。

・終演後に有田正広さんと仲道郁代さんのサイン会があったのでプログラムにサインしていただきました。
なかなか列が進まないな~って思ってたら結構お客さんと話されるんですね。
有田さんにコンサートは週末でお願いします。って言おうと思ったんですが言葉選んでるうちに固まっちゃいました。(笑)残念4。
上がり症なのよ・・・
仲道さんとは話す内容考えてなくて気の利いたことも言えず「ありがとうございます」だけを2回言いました。残念5。
仲道さんは小柄で可愛らしい方ですね。
係員の方にサイン会について聞いたときにオーケストラメンバーの方にサインは貰えないか聞いたらダメでした。残念6。

・観に行ったコンサートの当たり外れは観た人によっていろいろあるかと思いますが
個人的にクラシカル・プレイヤーズ東京の演奏会はほとんど当たりです。当たりでないときは大当たりのときです。
観ている時、観終わった直後は充実感で、少し時間経つと軽い喪失感があります。
だってね~、このオーケストラ1日しか演奏しないんだもん。(笑) S席4000円だったら2回行きたいくらいだ。
しかも、平日の時もあるし。その次は半年以上先だし。
毎月やって欲しいですね。

【2014/06/22追記】プレトークで聞いた内容で1つ書き忘れてました。ピアノがオーケストラと同時に演奏する場合、オーケストラは各リーダーのみ演奏するそうです。
例えば、ピアノと第一ヴァイオリンが同時に演奏する場合、このときに第一ヴァイオリンで演奏するのはリーダーのみです。第一ヴァイオリン全員で弾くとピアノ(フォルテピアノ)が消されるためです。これは勉強になりました。

プログラムの表紙

プログラムの表紙

有田正広さんと仲道郁代さんのサイン

有田正広さんと仲道郁代さんの直筆サイン

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